統合型マザーボードとピン型マザーボードの主な違いは以下の通りです。

定義と設計思想:

• 統合型マザーボード（オールインワンマザーボード）は、CPU、グラフィックカード（統合/コアグラフィックス）、サウンドカード、ネットワークカードなどの主要コンポーネントをボードに直接統合しています。高い集積度と小型化を優先しています。
• ピン型マザーボードは、取り外し可能なCPUを特徴とし、ピン型CPUソケット（例：Intel LGAシリーズ、AMD AM4）を備えています。ユーザーは互換性のあるCPUを別途購入してインストールする必要があります。グラフィックカードやサウンドカードなどの機能は、拡張カードを必要とすることが多いです。

CPU接続:

• 統合型マザーボードは、主にBGAパッケージを使用します。CPUはボードにハンダ付けされており、取り外し/交換できません。
• ピン型マザーボードは、ピン型ソケットを使用します。CPUは抜き差しして交換できます（ソケットと互換性がある場合）。

機能統合:

• 統合型マザーボードは高い統合度を持ち、CPU、コアグラフィックス、サウンド/ネットワークカードを必ず含み（一部はオンボードメモリやWi-Fi/Bluetoothも搭載）、追加の基本コンポーネントなしで動作します。
• ピン型マザーボードは基本的な統合度を持ち、サウンド/ネットワークカードのみを搭載しています（ワイヤレスモジュールがないものもあります）。CPU、グラフィックカード（必要な場合）、メモリは別途購入してインストールする必要があります。

拡張性:

• 統合型マザーボードは拡張性が低く、固定オンボードメモリ（または1スロット）、1～2つのストレージインターフェース、PCI-Eスロットが少ない/なし（独立グラフィックス/拡張カードなし）です。
• ピン型マザーボードは拡張性が高く、2～4つのメモリスロット（アップグレードをサポート）、2～4つのSATA + 1～2つのM.2インターフェース（複数のハードドライブ）、1～3つのPCI-Eスロット（独立グラフィックス/拡張カード用）を備えています。

適用シナリオ:

• 統合型マザーボードは、軽量、小型、低コストのニーズに適しています。ミニホスト（ホームオーディオビジュアル、オフィスミニPC）、組み込みデバイス（産業用制御）、エントリーレベルのオールインワン/シンクライアントなど。
• ピン型マザーボードは、柔軟なカスタマイズ/アップグレード可能なパフォーマンスに適しています。デスクトップ（ゲーミング、ワークステーション）、アップグレード可能なMini-ITXホスト、商用オフィスPC（後からのメモリ/ハードドライブ拡張）など。

メンテナンスとアップグレードのコスト:

• 統合型マザーボードは、コストが高く/制限があります。CPUの故障はマザーボードの交換が必要になる場合があります。主要コンポーネントはアップグレードできません。
• ピン型マザーボードは、コストが低いです。故障したコンポーネントは簡単に交換できます。CPU/メモリは単独でアップグレードできます。

サイズと消費電力:

• 統合型マザーボードは小型（Mini-ITX/Nano-ITX）で、低電力CPU（例：Intel Celeron N4100、TDP 6W）を使用し、複雑な冷却は必要ありません。
• ピン型マザーボードは大型（ATX/Micro-ATX; Mini-ITXでさえ大きいです）。消費電力はコンポーネントに依存します（高性能 = より多くの電力、冷却が必要）。